living sparkly naturally 地球と身体にやさしい生活

ワシントン州からフロリダ州に引っ越し。身体にやさしい食生活、ゆるゼロウェイスト、そして二児の母としての毎日を綴ります。2021年6月からフルタイムRV生活をしています。!

映画『人生フルーツ』

2017年1月に公開されたドキュメンタリー映画『人生フルーツ』

映画『人生フルーツ』公式サイト

ずっと気になっていながらも、アメリカ在住で子供の1歳半(当時)でなかなか観る機会が無かったのですが、やっとご縁を頂き鑑賞しました。

 

映画の主人公は建築家津端修一さんと奥様の英子さん。

修一さんは多摩平団地阿佐ヶ谷住宅等を手掛けられた、とても有名な建築家さん。

残念ながら2015年6月に天国へ旅立たれました。

 

映画が撮影された当時、修一さんは90歳、英子さんは87歳のご高齢でした。

修一さんの師アントニン・レーモンドの家に倣ってつくられた30畳の平屋の家で、お二人はご自宅のキッチンガーデンで70種の野菜と50種の果実を育て、肉・魚・卵・乳製品以外は、ほぼ自給自足の生活を送っていらっしゃいます。そしてもちろん、全てオーガニック。

雨が降って畑仕事が出来ない日、英子さんはキッチンに立ってお菓子を焼いたり保存食を作ったり、編み物や刺しゅうもするそうです。映画の中には機織りをしているシーンもありました。

修一さんも何でも手作り。大切なお友達にかわいいイラストを描いたはがきを出したり、お二人とも活動的で丁寧な暮らしぶりが素敵でとても惹かれました。

 

お孫さんが小さい時、シルバニアファミリーの大きなドールハウスが欲しいと言った時も「プラスチック製のおもちゃはダメ」と、修一さんが手作りでドールハウスを作ったエピソード、私もお二人の考えと同じなのでとても嬉しくなりました。

うちの息子は2歳になったばかりなのですが、今のところ買い与えたおもちゃはおままごとセット、積み木、電車のおもちゃ、全て木製です。おもちゃを買ってもすぐに飽きてしまうのでうちには殆どおもちゃが無いのですが、ちょっとおもちゃ屋さんを覗いてみても、ほぼプラスチック製のものばかり。2歳のお誕生日プレゼントに何か買おうかと思いましたが、どうしても買う気には至らず何も買いませんでした。

子供が喜ぶならプラスチック製でもしょうがないかな…と少し心が揺れましたが、このエピソードを観て、これからおもちゃを買い与えるにしてもプラスチック製品ではなくやはり手作りや木製のものにしようと思いました。大量生産されたプラスチック製品は、作り手の魂が感じられないし、不要になった時に自然に返らない。もうこれ以上地球に負担を掛けたくないし、子供にもちゃんと理解して欲しいから。

 

次の世代に何が残せるか。

お金ではなく、豊かな土さえあれば自分で自分を養っていくことが出来る。

なんでも手に入る便利な時代だけれど、自分の手足を日々動かす暮らしが、本当の豊かさ。

世界大戦もご経験されたお二人の言葉だからこそとても説得力があります。

 

日本では種子法が廃止されました。

食品添加物使用料・許可数ともに世界ワースト1位。

そして遺伝子組み換え作物がこれから先もどんどん増え、食の安全が脅かされています。

次から次へと新商品が発売され、とてつもないスピードで流行り廃りが入れ替わり、新しいものを手に入れるために心身ともにボロボロになってお金を稼ぎ、どうでも良いものにお金をつぎ込み使い捨てる今の社会システム。

1度立ち返り、一人ひとりが真剣に自分の生き方を見つめる時なのではないでしょうか。人類はあまりにも自分勝手に地球を痛めつけてきました。

1度しかない人生、こんな過ごし方をしていて良いのでしょうか?

 

自分の生き方、目指す方向性のヒントを貰えた映画でした。